シーダーが存在せず、ピアのほとんどがほぼ同じ%で並んでいる状態であるにもかかわらず、時間とともにじわじわとダウンロードが進むとき、おそらく、初期シードがスーパーシードモードで供給されていると推測することができます。
アップロード帯域の細い環境で、できるだけ他のピアの力でピースの普及をはかりたいシーダーが利用するモードですが、初期シードのアップロード帯域をフル活用しないため、他の誰かが完全なファイルをダウンロードできるようになるまで、通常のシードより時間がかかるデメリットがあります。
また、ピアが多数存在しなければそもそもスーパーシードモードのロジックが成立しません。そのような場合は通常のシードが推奨されます。
多数のピアにダウンロードされるファイルで、ダウンロードが完了したとたんにシードせずに切断する、「即切り」防止のために設計されたといわれています。
BitTornado サイト内 About super-seed mode より
S-5.5の「スーパーシード」機能は、限られた帯域で、トレントを開始しようする人が、巨大なトレントをシードする際に、アップロードしなければならない量を抑えることに役立つよう、新しいアルゴリズムとしてデザインされました。
シーダーが「スーパーシードモード」にはいると、通常のシードのようには振る舞いません。あたかも、全くデータを持っていない、通常のリーチャーのフリをします。 クライアントが接続してきたときに、クライアントはどれだけのピースを受け取っているか報告してきます。そして、まだ一度もアップロードしたことのないピースがあるならば、相手の必要としているピースのうち、まだアップロードしていないその1ピースだけを持っていると応答します。 これにより、相手のクライアントにそのピースだけをダウンロードする気にさせるでしょう。
クライアントがピースをダウンロードし終えたら、そのピースが少なくとも他の1つのクライアント上に見受けられるようになるまで、スーパーシードはそれ以上のピースを提供しません。 このように振る舞うことで、クライアントが、スーパーシードがすでにアップロードしたことのあるピースを求めてスーパーシードにアクセスし、スーパーシードのバンド幅を浪費することがなくなることでしょう。
この方法の結果として、はるかに高いシードの有効性をもたらし、ピアに、もっとも希なデータをダウンロードすることに集中させ、スウォームに貢献しない多数のピアに最初のシードから同じデータを何度もアップロードさせることを減らします。
これまでは、他のクライアントがシードになるまでには、最初のシードはTorrent の全体の大きさの150%から200%をアップロードしなければなりませんでした。 それが、スーパーシードモードのシードからはじまった巨大なTorrentは、最初のシードが全体の大きさのたった105%をアップロードをしただけで、他のクライアントをシードにすることができるようになります。 これは通常のシードモードより、150~200%効率がよいということになります。
スーパーシードモードは一般的な使用に対しては「推奨されません」。 希なデータがより広く分配されるのを支援するために、クライアントがダウンロードすることができるピースの選択肢を制限してしまうことにより、それら一部のクライアント達がすでに部分的に入手したピースをダウンロードする能力を制限してしまいます。 従って、スーパーシードモードが推奨されるのは、最初のシードをするクライアントだけです。
BitTornado
ABC
スーパーシードモードは、オリジン(一番最初のシーダー)がアップロードの帯域を節約するために有効ですが、それは、BitTorrentの持つ速やかな配備の性能を損なう要素でもあり、効率を再重視するBitCometでは採用されていないようです。
ですから、BitCometは、設定が許せば、ピアにジャンジャンデータを送信しますので、オリジン(一番最初のシーダー)として利用した場合、スウォームに十分なピースが供給されるまでにファイルサイズの合計の200%程度をアップロードする必要があることもあります。
1.17よりスーパーシードを選択することができるようになりました。
タスクのプロパティで、初期シードの場合にのみ選択ができるようになっているようです。
ですが、このオプションを選ぶ際には、最初にダウンロードを完了するピアが出現するまでにかかる時間を遅らせて、初期シードがアップロードしなければならない量を節約する、配備の効率よりも、初期シード帯域の節約を重視するオプションであることをふまえて、選択をしてください。